≪新型コロナウイルスに警鐘を鳴らした英雄、李文亮医師死亡≫
「新型コロナウイルスによる肺炎に警鐘を鳴らし、7日未明に院内感染とみられる肺炎で死亡した中国湖北省武漢市の医師、李文亮(りぶんりょう)さんを追悼する動きが中国国内で広がっている。
同時に李さんが医師仲間に送った情報を『デマ』だとして摘発した武漢市公安当局への批判も激しくなっており、中国政府は追悼運動が政府批判に転化することを警戒し、情報統制に乗り出した。
中国各地で7日午後9時(日本時間同10時)から室内の照明を点滅させ、口笛を吹く追悼行事が実施された。中国版ツイッター『微博(ウェイボー)』などの呼びかけに呼応したものだった。
しかし、中国のインターネット上ではその映像やコメントなどが表示されにくくなっている。中国メディアの記者は李さんの追悼運動については『大々的に報道しないように』と通達があったと話している。 」(毎日新聞2020年2月8日 18時54分)
いち早く、今回のウイルスの危険性を察知し、警鐘を鳴らした医師が残念にも亡くなってしまった。彼は、警鐘を鳴らしたにも拘わらず、武漢の公安当局から(口止め)「訓戒処分」を受けていた。今回の英雄の死、現在のウイルスの蔓延は、中国の政治権力がもつ隠蔽体質の結果とも言えるだろう。
このような状況の中に在っても、中国政府は、2017年7月にノーベル平和賞を受賞した劉暁波(りゅうぎょう)氏(民主化運動家、事実上獄中死)の時同様、追悼運動を警戒しているようである。
李医師が最後に残した言葉に目を止めてみたいと思う。
「私は健全な社会は、たった一つの声にすべきではないと思う。」
彼の言葉は、中国共産党の一党独裁を暗に批判しているようにも聞こえる。
今回の事件ととおして、改めて「中国の民主化が進められ、健全な中国が現れますように!」と強い願いが与えられた。
李文亮医師の御冥福を心からお祈りいたします。